昇進論文の書き方をインターネットで調べると、論文の構成や書く内容については詳しく出てきますが、書き方のコツ等はあまり出てきません。書き方を調べながらきちんと作成して提出したものの、上司からダメ出しされて書き直すように戻されたという相談を受ける事があります。そこで、書ける屋では少し細かい書き方のコツを紹介したいと思います。
前回の記事にも書きましたが、現在職場で抱えている問題の解決策を人任せなものではなく、自分が主体となって解決していく策にしなければ評価されません。具体的にどういうものなのか、実際に相談を頂いた添削前の昇進論文から例を挙げます。
「顧客ニーズを社員に考えさせます」
「点検内容をフィードバックさせます」
「研修を行い、お客様対応をレベルアップさせます」
「お客様に全員で声をかけて出迎えさせます」
「社内行事には積極的に参加させ、目標意識を高めます」
これでは、現在の社内の問題は全て部下の出来が悪いからである、と聞こえてしまいます。「私がしっかり舵を取り、問題解決に取り組んでいきます」と締めくくられていたのですが、この解決策の書き方では部下に命令しているだけで自分は見ているだけの威圧的な態度に聞こえます。
では、どのように変えればいいのでしょうか?
「顧客ニーズを社員に考えさせます」→「顧客ニーズを社員全員が把握し、意識しながら業務に取り組めるようにミーティングを積極的に行う事が必要である」
*自分もミーティングに参加し、意見を出し合う、話し合う姿勢が見られます。
「点検内容をフィードバックさせます」→「点検内容のフィードバックが確実に行われるように社員に声をかけ、確認しながら自然とそれが行われる風土を作ります」
*今まできちんと行われていなかったフィードバックがきちんと今後当たり前のように行われるような環境を自分が中心となって作っていくというリーダーシップと、部下に声をかけ、常に気にかけている良い上司像を作ります。
「研修を行い、お客様対応をレベルアップさせます」
「お客様に全員で声をかけて出迎えさせます」
→これらは書き方が少し威圧的です。
上の例でもそうですが、「○○させる」という言い回しは人に何かをするように仕向けるという強い意味があります。「これに従え!」と強制して部下に何かをさせるのは、上司である立場を利用して命令すればいい事なので言い換えてしまえれば「誰にでもできること」です。また、立場を利用して権力でいう事を聞かせているように聞こえてしまいます。
例えば、
「お客様対応のレベルアップを図るために研修を行います」
「お客様には全員で声をかけて出迎えるように社員を促し、自ら積極的に声を出して皆の手本となるように努めたい」
など、同じ内容でも書き方を少し注意するだけで高い評価を得る事ができます。解決策の具体性も増して、内容の濃い論文を書くことができるでしょう。