卒論代行の書ける屋です。今回は農業を題材にした論文代行の見本を公開します。ちょっとマイナーですが、さとうきび生産に着目してみました。沖縄の現状や農業に着目していたり、研究してみたいと考えたりしている方には有用な内容です。農学部の卒論だと、実験がイメージされがちですが、こういった生産性に着目する方法もあります。では、以下にサンプルを始めます。
一般的に、このような技術革新は産業自体の発展を促すことが多く、利便性の高い技術が生産性を高めて、その生産量もそれに関わる人々をも増やしながら産業が大きくなっていく。
しかし、さとうきびを取り巻く環境はそうではなかった。平成21年までの沖縄県農林水産部の「さとうきび及び甘しょ糖生産実績」を参考にすると、さとうきびの農家戸数と収穫面積は、昭和40年前後のピーク時に比べると当時の約3分の1程度まで減少しているのである。これは産業規模の縮小を表しており、農家戸数と収穫面積の推移はゆったりとした右下がりのグラフを示している。ただ、その背景には生産性や品質の向上も見られ、収穫面積当たりの収穫量、農家戸数当たりの産出額は、減少している収穫面積と農家戸数とは逆に著しい伸びが確認できる。
ここで注目すべきことは、生産性と産出額の上昇が見られるさとうきびの収穫面積と農家戸数が減少している理由である。2006年の農畜産業振興機構の「さとうきび春植の適期植付・堆肥投入による単収向上(比嘉2006)」によると、その理由は以下のものだとされている。都市化による畑地の減少、さとうきび農家の高齢化による担い手不足を背景とする地力の低下、肥培管理の遅れ。都市化による畑地の減少や高齢化による担い手不足は、日本の農業全体が抱えている深刻な問題点の代表であり、沖縄県という一地区のさとうきびという一つの作物に焦点を定めてもその例外ではないということだろう。
また、興味深い点が肥培管理の遅れにある。技術の革新や進歩を自身の生産活動に導入しなければ、それらの恩恵を受けることはできない。つまり、品種改良については新しい優秀な品種を取り入れて管理して育て上げること、機械化に関してはそれらの機械を購入して適性稼動量をクリアすることが重要となる。そのため、時代の流れともいえる技術革新という生産活動の変化に対応できなかった農家、対応しなかった農家は、自然と生産性の面で不利を被ったのだと考えられる。
このようにさとうきびの生産技術の進歩とは裏腹に、その進歩を背景に減少しているサトウキビ農家とその収穫面積だが、沖縄県においてさとうきびは依然として全農家数の71%、全耕地面積の47%をも占める基幹作物である。特に離島においては、製糖業とパイプが繋がっている地域経済の要となる産業となっている。そのため、このまま生産規模や収穫面積が減少していくことは望ましいことではない。
技術の革新はとても素晴らしく、それによって多くのさとうきび農家の生産活動が効率化された。これは疑いようが無いことで、その効果も収穫面積当たりの収穫量といった数字で証明されている。だが、そういった技術の向上がさとうきび産業の活性化に繋がったかと言えばそうではないことは自明だろう。減少の止まらない右肩下がりの農家数と収穫面積がそれを示している。
土地は限られているため、主要産業である観光業やサービス業のために使われていくことは一つの自然の姿ではあるのだが、前述したように地域経済の要となっているさとうきび産業が低迷することは非常に大きな問題となる。それを補助するための技術革新ではあったのだが、あくまでも技術は、さとうきび産業を取り巻く一つの要素でしかない。技術は人を助け、その効率化には大きな可能性が秘められている。しかし、根本的な問題である都市化による畑地の減少、さとうきび農家の高齢化による担い手の不足は、技術革新では直接的には補うことのできない要素なのである。
これらの問題、さとうきび産業の衰退については、技術だけでは論じることができない。向上していく技術と衰退していく産業。これらをつなぎ合わせるためには、農業政策やそれらを取り巻く経済について考えていく必要があるだろう。
関連記事